フェンウェイパークの奇跡 | 第47話
会見場にいる報道陣のすべてが、余りに感激して呆然と立ち尽くしている。
それが証拠に 誰一人としてフラッシュを焚いていない どころか
カメラすら構えていない
忍者の登場で会見場の空気は、がらりと変わり ピーンと張り詰めている。
忍者シゲの顔は 忍者マスクに覆われ 眼だけが キラリと光っている。
そこはかとなく 気品漂う風格を持つ忍者のオーラが、しだいに会見場を覆いだした
「本日、ボストン・レッドソックスは 忍者の子孫、忍者シゲと契約しました。
ポジションはピッチャー右投右打、身長177cm体重77キロ」
とGMが 少し緊張気味に話した。
すると 記者からすぐに質問が飛んだ。
「あっ、あなたは、本当に にっ…… 忍者なのか 」
質問をした記者は、感動して声が震えている。
「シゲ、質問に答えて」GM.はシゲに囁いた
「 ゛ これが忍者だ ゛ と言う定義はありませんが 先祖代々から続く
我々なりに考えた 忍者になる為の数々の厳しい修行を行ってきたので、
皆さんに忍者と呼ばれても構いません」とシゲは答えた
その瞬間、
恐ろしいばかりの 白く弾ける カメラのフラッシュの洪水が、
四人に降り注いだ
一分、
二分、
三分と フラッシュの洪水は まだ止まない
我に返った記者が質問を続けた
「なるほど、忍者のスタイルでいるから 忍者である というような、
ニセ物ではないという事ですね。」
「そうです」とシゲは微笑んだ
「あなたは 何処から来たのですか」
「太平洋上に浮かぶ島からです 我々は忍者島と呼んでいる
たしか地図には 載っていなかったはずです。」
また、ウォォォォォォーー と 場内がどよめいた
3月25日 入団会見
「あなたは投手としてレッドソックスと契約しましたが 投手の経験があるのですか?
どこか野球のチームに入っていたとか?」
「メジャーリーグのルールに則った野球をした事はありませんが、
トレーニングを兼ねた 忍者独自の野球をしてきました。」
< 忍者独自の野球……… 忍者野球……… 一体どんな野球なんだ…… >
と会見場はざわめく
「忍者野球も メジャーリーグ野球も そんなに遜色はないと思います」とシゲは云う
忍者シゲの発言に どっと場内が ざわめいた
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