フェンウェイパークの奇跡 | 第43話
3月24日 午前11時、天気は快晴・
シゲはふらりとフェンウェイパークに現れた。
そして、球団関係者通用口から球場に入ろうとした時、警備員に呼び止められた。
「ここから先は 関係者以外は立ち入り禁止、さぁー出て行くんだ」と警備員が云う
「お前は、なぜ忍者の格好でいるんだ、それに刀まで担いで
映画のロケでも有るのか ?」 と もう1人の大男の警備員も シゲに云った。
< そうか、オーナーと球団社長 GM以外
チームメイトや 球団関係者に会っていない、弱ったな…… >と シゲは思い出した
<しかし、球場に入らなければオーナーたちに会えない。
いつも、いつも、屏を飛び越えるわけにも行かない…… >
「私は今月初めにボストンレッドソックスと仮契約をした、
これまでは色々あってキャンプ、オープン戦には参加していないが、
これからは ちょくちょく試合には出るつもりでいる 」とシゲは係員に云う
「何を馬鹿な事を言っている、さぁー帰った帰った
チケットを買って 中に 入んなー」
と云ってシゲの右肩を掴んで外に摘み出そうとしたが、
反対にシゲは 警備員の腕を返し技で決めた
「痛たたたたー」苦痛の表情で もがく警備員
「こいつ何しやがる 」と隣にいた大男の警備員は
シゲの首に手を回しスリーパーホールドを決めようとした瞬間
シゲは くるり体を入れ替え大男の腕を決めた。
「痛たたたたー」
その時に 出入口のざわめいている様子を気にしながらGMが近づいてきた。
「どうしたんだ」
「この忍者が 中に入ろうと…」と警備員が云いかけた時に
「おぅ、シゲ、シゲじゃないか、こりゃ驚いた。忍者島に帰ったのかと思ったよ」
とGMはシゲの腰に手を回した
「さぁーオーナーに会いに行こう」と云って球場の中に入っていった
「一体、どうなっているんだ」係員はキョトンとしてその場で立ちすくんでいる
オーナー室に入ったシゲは、これまで調査してきた事を
オーナーと 球団社長、GMに話しだした。
「霊界を色々調べていくうちに、ルースは天国にいる事が分かりました。
正確には、天国にいた事が分かりました」
「いたこと…… ? それは、どういう事なんだ」とオーナーが聞いた。
「何故だか分からないのですが、天国にいるはずのルースの消息が分からないんです」
とシゲは云った。
「何んだって、 ベッ、 ベーブ・ルースの消息が……?
そっ それは…どう云う事なんだ……」オーナーは、驚いて声をあげた。
「忍者は…… 霊界と交信できるのか?」と球団社長はシゲに尋ねた。
シゲは、頷いた
そして三人は 薄気味悪そうに 窓からグランドに眼を移した。
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