フェンウェイパークの奇跡 | 第25 話
2/20 キャンプ地 フォート・マイアーズ
レッドソックスのキャンプ地、フロリダ州フォート・マイヤーズ
人口約6万人の小さな街
この小さな街に、ひとりの新人投手と
メジャーリーグで1・2争うパワーヒッターを見るために
アメリカ中から大挙、人が押し寄せた
その新人投手の名は、ドーセット。高校野球界で数々の伝説を作り.
今後100年は現れないであろうといわれる不世出の大天才投手だ。
しかし、ドーセは、ほとんど刑務所に収監されても不思議でないほどの
素行の悪さにより、どこの球団も一度は指名を躊躇していた。
そこえドーセットは、とんでもない事やってのけた。
ドラフト2週間前の事だった。全球団のオーナーに、一通の手紙が舞い込んだ
ドーセットからの脅迫状のような失礼極まりない手紙を読んだオーナー達は、
全員 ゆでダコのように顔を真赤にさせ、手紙を破り 床に叩きつけた。
「生意気な小僧め!」
時を同じくして
レッドソックスとヤンキースとの ドーセットをめぐる前代未聞の壮絶な争奪戦は 水面下で繰りひろげられた
そして レッドソックスが 争奪戦に勝利し 運よくドラフト一位で指名した。
ドーセットは、メジャーリーグ史上最高額の契約金でレッドソックスに迎えられた
そして、もう一人
話題性に、おいてドーセットに匹敵する男
゛ 通称ワンマン・ワイルドパンチ ゛ という異名を持つ男。
その名は、カーボーイ・ジャクソン!
余程、西部劇のガンマンに憧れているのか、
いつもカウボーイ・スタイルのいでたちで、
頭の上には、゛ ちょこんと ゛テンガロンハットが、のっている。
今年 レッドソックスに フリーエージェントでやって来たパワーヒッター。
去年 異例とも云えるクリスマスイブからクリスマスにかけて入団記者会見を開き、
レッドソックス史上最高額で5年契約を結んだ
会見当日、ローガン国際空港に降り立ったカウボーイ・ジャクソンは、
空港に詰めかけた溢れんばかりの報道陣に向かって 大声で第一声をぶっ放した。
「これで、この街も明るくなるさ !
云っておくが、俺様は、スターになるために、ここに来たのではない!
俺様は スターとしてやって来たのだ」
やる事 なす事が すべて売名行為
スタンドプレー以外は
何ひとつやりたくない自己中心的な男・カウボーイ・ジャクソン
この会見をニュースで見ていたチームメイトは
ウンザリした表情で みな口ぐちに「先が思いやられる・・・」と嘆いた
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