フェンウェイパークの奇跡 | 第22 話
「さぁー皆さん日本式のバスへご案内いたしやす。」と八兵衛は茂みの中へと歩きだした。
「あっしら<私ら>にとっては風魔忍者との戦いなんぞ、いつもの事、日常茶飯事なんですが、
皆さんは、さぞかしびっくりしたんじゃねぇーですか? 」
と八兵衛は、何もしていないのに得意げに云った。
「今の時代に忍者同士の戦いがあるなんて思ってもみなかった」
とオーナーは恐る恐る きり出した<話出した>
球団社長もGMも大きくうなずいた。
「皆さん、誤解があってはいけませんので云っておきますが。
あっし<私>の前で、皆さんの盾になっていたあの二人。餓狼・猛虎と云うんですが。
さきほどは、あの二人が風魔忍者軍団の攻撃から皆さんを果敢に守っていました。
あっしは2人の後ろで何もしていないように見えましたが、それは大きな誤解なんです。
皆さんには 分からなかったと思いますが
あっしは 逐一あの二人に指示を出していたんです。
あの二人、言い換えれば風魔忍者軍団にとっては第一・第二関門と申しましょうか、
あの二人の関門が破られれば、いよいよ最終関門である、この八兵衛様の出番、
登場となるわけです。今回は、あっしの出番はありませんでした。
あっしの腕の見せ所だったんですが、残念で仕方ありません。」と八兵衛は残念がっている。」
「もうそろそろ小屋が見えてくるはずです。」と八兵衛が後ろに振り向き、
オーナー達に云って前に向きなおった瞬間
「ひぃー 急に現れるな! ビックリするじゃねぇーかー
心臓が飛び出るかと思った 」
と八兵衛はどこからともなく現われた、眼の前にいる5人の忍者に云った。
「風呂の用意が出来ました」
「そうか、御苦労」と八兵衛は踏ん反り返って云う。
オーナーたちは、知らないうちに五人の忍者に囲まれているのに気づき驚いている。
四人は茂みを切り開いた所に出た。小屋がひとつ ぽつんと建っていた。
五人の忍者は、知らない間に消えていた。
八兵衛は小屋の戸を開け、ジロリと中を見渡した。
「それじゃー皆さん、あっしは 外で見張りをしていますんで、ごゆっくりと。」
と八兵衛は云い残し、素早く茂みの中に消えた。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません