フェンウェイパークの奇跡 | 第72話

2023年1月19日

9番サード・リンの負傷退場により 出番が回って来たのはマット3塁手、

 

マットは 去年 スカウトに見いだされシードックス(2A)でプレーをした

 

マットは 前半をケガで棒に振るが、

 

後半40試合で なんと60個の盗塁に成功(盗塁企画数60) 成攻率100%。

 

特筆すべきは走力で、走攻守と三拍子揃ったREDSOx期待の新人だ

 

そして、マットは 今年 初めてメジャーリーグに昇格した

 

打席に向かうマットに マーチンは耳打ちした

 

「いいか、マット。  塁に出たらいつでも走っていい、ノーサインだ ! 」

うなずくマット

 

マットは打席の中に入り、土を踏みしめる

 

<これがメジャーリーグの打席なのか……>マットは 感慨ぶかく足下を見つめる

 

マットは ホームベースをバットでなぞり、B・Bを睨んだ。

 

B・Bが 第1球を投げた。

 

161kmの速球がド真ん中に向かう

 

“ よし ! " マットは思いっきりバットを振った。

 

「ストライク」マットは思わずB・Bを見つめる。

 

B・Bは 不敵な笑みを浮かべ べラ捕手からの返球を受ける。

 

「 おいおい どうした新人! バットとボールが10cmは、離れているぜ 」

とベラ捕手は挑発する。

 

「 くそっ!」マットはベラを睨む。

 

「おお 怖い ! 」

 

< なんて凄い速球なんだ。   ボールがこんなに浮き上がるなんて! >

 

ベラは B・Bを見つめて サインを出した。

 

2球目もB・Bの速球は 唸りをあげてストライクゾーンに来た。

 

「ストライク!」球審の右手が上がる。

 

どうしていいか分からないマット

 

“ 仕方がない " マットは決めた

 

3球目、B・Bが モーションをおこし投げた。

 

マットはすかさずバントの構えを見せ、助走をつけながらバントを三塁線に決めた。

 

ボールの勢いを殺した絶妙のバントは ラインに沿って、力無く転がる。

 

不敵な笑みを浮かべ7年連続ゴールドグラブ賞受賞のB・Bは、素早くマウンドを降り、

 

余裕を持ってボールを掴むや 振り向きざま 1塁に投げた。

 

“ なにっ! "

 

B・Bは驚いた。

B・Bの位置からだと 送球と マットがベースを踏むのが 殆ど同時に見えた

 

゛なんて足してやがるんだ… ”   B・Bにとって 幸い塁審の判定はアウトだった

 

大きな どよめきに 揺れるフェンウェイパーク

 

「 なんという速さだ!マットの脚には翼が生えているのか! 」

と実況担当は絶叫した。

 

「かつてマイナーリーグでは ゛直角を 全力疾走出来る男゛ と恐れられていました

 

なんとも恐ろしい男だ!

マットの走塁を見るだけでも、十分にチケットを買う価値はあります」

と解説者も絶賛した