フェンウェイパークの奇跡 | 第39話

2023年1月18日

「 エヘン ! 」 と わざとらしい咳払いが聞こえた。

 

餓狼と猛虎が、顔を曇らせた。

 

「兄者!」と八兵衛がホームベースの方から、小走りに駆け寄ってきた。

 

<ややこしい奴が来た…>

 

<やれやれ……>   猛虎と餓狼が目を合わせて露骨に顔をしかめた。

 

「久しぶりだな八兵衛、元気にしていたのか?」とシゲは懐かしそうに笑った。

 

「兄者.遅くなってすみません。

 

これからは、おいらも兄者の側に、ピッタリと、くっついて

 

兄者の力になろうと、馳せ参じました次第です 」と八兵衛は片膝をつき云った。

 

「八兵衛、屋台は どうするんだ 」と餓狼が聞いた

 

「八兵衛、この前にようやく常連客が付いて、軌道に乗ったと云っていたじゃないか。

 

ここは 俺達に任せて商売に専念したらどうだ 」と猛虎が続けて云った

 

「おあいにくさま。 兄者、1週間程前に、後釜が見つかりましてね。

 

今日まで付きっきりで厳しく指導して.何とかやっていく目処がつきましたもんで」

 

と八兵衛は云った。

 

<大人しく商売してりゃ良いものを…… >

 

<明日から又うるさくなる…… >

 

餓狼と猛虎は、憂鬱な表情を隠そうともしない

 

<もうすぐ 開幕戦か…>

 

呪いの情報収集も頭うちになったシゲ達は フェンウェイパークを後にした。

 

3月23日深夜

 

八兵衛は兄者の正気を疑い出した

 

実際にシゲは正気を失っているのかもしれない

 

シゲがまだ来ていない時

 

「ヘクション、ハクション、ヘクション おぉー寒い 、ここは寒すぎるよなー

 

餓狼.猛虎、お前たち平気な顔しているが寒くないのか?」

 

と八兵衛は、ぶるぶる震えながら云った。

 

「なぁー 今日の天気予報で云っていたんだが.

 

今夜の最低気温は何度になるか知っているか・・・

 

―40度だぜ! ―40度。信じられるか?

 

なんでもボストンはじまって以来の過去最低を記録するらしい。

 

長期予報でも云っていたんだが、春が来るのが6月頃になるらしい、6月だぜ!

 

後 まだ、まるまる2ヵ月はあるんだぜ。

 

いったい  どんだけ寒い日が続くつもりなんだ…」と八兵衛はぶるぶると震えている

 

餓狼と猛虎はなにも云わずに黙って聞いている。